森林伐採の同意に後悔したある年3月のお話

自然 伐採【雑記】田舎主婦ブログ

爽やかな雰囲気の年配男性が首に名札をぶら下げて、笑顔でうちのインターホンを押したとある年の3月。手にはボードと営業バックをもっていました。単なるセールスなら丁重にお断りして帰っていただこう… 

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当サイトは2023年8月から開設した、愛知県の田舎のとある畑でほぼほったらかし栽培の野菜を育ている家庭菜園者主婦です。記事は私個人主観経験した内容をベースにAIではなく配信者本人が書いています

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出てみると、行政の関係者かとおもわせる腰の低そうな方でした。内容は

「電線にかかってしまう可能性のある森林を伐採させていただきたいのですが・・・」でした。営業というより説明しにきた、という姿勢をかんじさせ、私の警戒心を解きました

要は電線下の木々が高く伸びすぎて、電線に触れる可能性で停電や事故の恐れがあるために山林所有者の森林伐採許可を得たい、との内容でした。たまたま隣で父親も耳を傾けていたわけですが、長らくこの家に住んでいる初めてのケースに驚いている様子でした。なぜ今?

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その方は手元には何枚かの資料を持参しており、すでに法務局で入手していたうちの土地謄本をもっていました。ほかに市役所で得たのかと土地の所有者名が記載されているエリアマップもありました。参照しながら30分くらい説明が続きました

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うちの山林は先祖から継承している土地で、獣道の先、山の奥の方にあります

税金が毎年発生しているものの、両親は暮らしに活かしていませんでした。むしろ、だいたいあのへん、くらいで正確な場所を把握していない。固定資産税だけが毎年自動振替され続けるだけという、田舎の山林地主あるあるです

それでは寂しいような気がして、私は夫にお願いして数年前に位置を把握するため山に入ったことがあります。たぶんこのへんだろうと、到着できました。山の中には至る所に杭が打たれていました。よく見ると、番号が振ってある

おそらく土地を示す番号なのだろうけど、どこからどこまでが自分の所有地なのか数字を見ただけではまったく判断が難しいです

そんな一件もあり今回の説明で正確な場所を把握することができたのは幸いでした

山林では、青々と樹木が茂っていました。遠目から見ると山の緑一色。樹木の品種までは分かりません。もしかしたら果樹が生きているかもしれないし、桐や杉など価値のある樹木もあるだろう。とかんがえたら、森林伐採は同意できないかも、と躊躇していました

すると、森林伐採といっても山をつぶすわけではなく希望者には樹木が再生できるような伐採方法を取り、また作業前の現場視察も案内できるとのことでした

ということで、樹木の再生と視察を希望し、渡された書類にサインをしました。してしまった….

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その翌年、話で聞いていた通りの時期から、村全体にチェーンソーの音が鳴り響いていきました。「始まったんだ」とすぐに分かりました

チェーンソーの音は連日続きました。2週間くらいでしょうか。どうやって表現したらいいかわかりませんがなんというか、チェーンソーの音が山の泣く声に聞こえ始めていきました

視察を希望した約束日の前の週に、営業の方から連絡が入りました。待ち合わせ場所に長靴を履いて向かいました。現地では、訪問された営業の方とは別の現場責任者の方が待っていました。その方も腰の低そうでした

案内される後ろをおいていかれないようについて、足場の悪い獣道の先を進みました

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👆これが現場です

寸止め、という伐採方法です。大人の腰丈くらいを樹木を一部残し、そこに伐採した木々の置き場として活用するのだとか。こうすることで自然は再生するそうです

伐採した木々を焼却炉へ運搬していては、予算がいくらあってもきりがない、という理由もありそうでした。そりゃそうだ

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土がむき出しになった山肌、なんというかぐっと胸が締め付けられました

画像では伝わりにくいかもしれませんが、ほぼ人が入らない山肌の足元はフカフカで、自然に堆肥が積み重なり、良質な土だとすぐに分かりました

にしても仕事が丁寧です。規則的に積み上げられていました。業者さんってやっぱりすごいや。自分で試みたら、こんな丁寧にまずできないでしょう

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歩き進めると👆至るところで大きな切り株が無残にも切り倒されていました

あそこにも、ここにも。次第にサインをしたことを後悔しました。私、山を泣かせてしまった…かもしれない 

密集した森林は、光合成を求めて木々の背を高くしていくそうです。なので電線を守るために数十年単位で伐採が必要だといわれていました。寸止めという伐採方法によって、切り倒した樹木は処分せずに、現地で残すため長い時間をかけて朽ちて、堆肥になるので、樹木が絶えることはないとのことでした

それにしても痛々しい現場でした

伐採によってぱっくり口をあけた山の状態になりましたが、大地に太陽が届き、再び自然豊かな山へ再生してくれることを願わずにはいられませんでした

今さらながら、サインは義務ではなかったと作業責任者の方が言われていました。確かに、サインが義務なのか確認した記憶はあるのでする必要なかったわけです

しかし、業界側からすると ▲自分のことしか考えていない ▲周りのことを考慮していない ともとれるようなニュワンスが込められていましたし、夫はサインにごねている私の気持ちは理解できなかったようです

確かに万が一の場合、電力の供給に支障をきたし、地域住民のたくさんの生活に影響が出てしまうのは理解できます。でも、なんだろうこの違和感…

電気のある暮らしは、今や当たり前のこの時代で、夏は涼しく、冬は暖かく、美味しい料理だってボタン一つで作れるし、電気があるおかげで室内の明るさは保たれる。便利な暮らしを与えてくれています

が引き換えに、温暖化や食料不足、異常気象は特にこの近年、恐怖さえ覚えるほどで、いつの時代にも天災はついてまわるものの、自然破壊と表裏一体にかんじでしまう

つい80年前までは、汗水垂らして薪を準備して、火を起こす暮らしをしていた人々の暮らしがあったわけです

木々が生きていることで気温の上昇を緩やかにしたり

木々の根があることで大地が強固になり山崩れの被害を最小限に抑えてくれたり

木々の葉があることで大気の水分を吸収し、雨を降らせ、実り豊かな果樹や山菜を育ててくれたり

大自然の中で人間は生かされているという、本質に気づきつつも電気にありがたみもかんじている、なんとも複雑な気持ちです

👆森林伐採から1年以上が経ちました。赤丸を示したへこみ部分が伐採エリアです。一時は土色だけの景観でしたが、新芽が訪れて、今では新緑の美しい様子がうかがえ、一先ずは安堵しています

今回の森林伐採の件で、’もののけ姫’ に登場する乙事主のある一言が脳裏を駆け巡りましたし『もののけ姫 (Wikipedia参照)』、熊本阿蘇山の一面がソーラーパネルで埋め尽くされたショッキングな様子がリンクしてしまいました

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目の前の相手が、どれほど品があり、丁寧な立ち居振る舞いであろうと、心地よい内容の説明をされようと、ペンを走らせる前にその先の光景の想像をしっかりと巡らせ、サインの類とは慎重にならなければいけませんね

もし、支障をきたさないサインで協力できないとおもうのなら、お断りする厳しい姿勢を持てることが理想です。生きていく上で良い教訓になりました

伐採された大地が、再び生命力に溢れる豊かな自然に戻りますように…

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